Round1・生意気な奴

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「ねぇ~リョウ。今日リョウんちいってもいい~?」 妙に鼻にかかった女の声で、名前を呼ばれた。 俺の名前は相田遼(あいだりょう)。 高校二年生。 趣味は…女と寝ること。 身も蓋もない言い方だが、本当のことだから仕方ない。 こちとら年頃の男子だからな。 さらに好都合なことに、俺の容姿はかなり整っている。 深緑がかった瞳。 彫りの深い、均整のとれた目鼻立ち。 程よく筋肉の付いた長身。 明るい茶色に染めた柔らかいくせ毛。 低く甘い声。 この容姿のおかげで、入学時から既に王子様扱い。 言い寄ってくる女は先輩から後輩まで、ごまんと居た。 今まで、そいつらを手当たり次第に喰ってきたって訳だ。 女に不自由したことなんかない。 今は昼休み。 今日の獲物は、近づいてきたこの女。
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