Round1・生意気な奴

3/35
前へ
/112ページ
次へ
  「ねぇ、いいでしょ?」 女が俺の腕に纏わりつく。 こいつの名前は……なんだっけ? まぁいいや。興味ねぇし。 いちいち女の名前なんざ覚えてねえ。 このくらいのレベルの女なんて、はいて捨てるほどいる。     俺は慣れた手つきで、女をこちらに引き寄せた。   「ああ、いいぜ。もちろん泊まってくんだろ?何なら今から…する?」  耳元で囁く。   「やだぁ、リョウってば。今はだめ。また放課後ね」   名前も知らない女は、くすぐったそうに身をよじらせてクスクス笑うと、軽く手を振って去っていった。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加