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「冗談じゃねぇけど?」
ちょっとマジな顔をしてみる。
「残念だけど、僕だって女のコが好きなんで~。お断りですぅ」
調子に乗ってからかってみたものの、あっさり断られてしまった。
「それよりさ、りょーちん。瑛太見なかった?」
梓が俺に訊ねてきた。
「瑛太ぁ?また屋上じゃねぇの?」
「それが屋上にも居なかったんだよね。委員会の連絡あるのにー」
梓は再びぷっくりとむくれている。
ほっぺがぷにぷにして可愛い。
男のくせに。
「あいつの場合、居るとこっつったら、大体決まってんだろ?探しにいくか。俺も暇だし」
「うん。一緒にいこー」
俺が腰をあげると、先ほどとはうって変わって、瞬く間に笑顔になる梓。
…こいつが女だったら、喰ってるな、絶対。
そんな善からぬ妄想をしつつ、俺は梓と共に教室を後にした。
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