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七大天使達が
長老の家に集結していた。
「何人じゃ…?」
長老が静かに問う。
それに深刻な表情でミカエルが答える。
「…ルイ、マリア、ルナ、ジン
ユーリの5人です…。今日で
…50人以上に…。」
「深刻じゃな…。
魔族の仕業…じゃろうがな」
暫しの沈黙のあと、
サリエルが口を開いた。
「ルシファーは何をするつもり
なんだ?」
その言葉に、
ミカエルが申し訳なさそうに
俯く。
ミカエルとルシフェルは双子の天使。
弟ルシフェルは
神により追放され、
堕天使となっていた。
それが……ルシファーだ。
「サリエル…口に気をつけろ…
。」
ラファエルがサリエルを睨む。
「すまない……
そいうつもりじゃなかった。
…」
バツが悪そうに咳払いをした。
そんなサリエルに、
“わかってます”
とミカエルが微笑んだ。
「サタンの封印を解くつもりか
もしれん。慕っていたからの
ぉ。」
長老の目が哀しみを見せた。
「いなくなった天使達の捜索は
今まで通り続けてくれ。
生きておるとよいが…。」
長老の言葉に、
再び沈黙が訪れる。
「皆に…
夜間の外出は、禁止するよう
釘をさしておきます 。」
ラファエルが部屋を出ようと、
扉に手をかけた時だった。
サリエルが
“待て”
と呼び止める。
「しばらく、人間界には…
降りないほうがいいかもな…
これ以上、犠牲者をだす訳に
もいかないだろ?」
ラファエルは少し考え、
長老をみた。
「神殿を閉じますか?」
「うむ…。そうしてくれ。」
長老が、言い終わるのと同時だ
った。
「………っ!!」
サリエルが何かに気づき、
窓を乱暴に開け放つ。
遠くに見えたのは、
飛び去る天使の姿だった。
「キラ…。」
「サリエル…問題ありか?」
「いや…。
俺がなんとかする。」
サリエルはそう言い残し、
飛び立った。
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