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やっと声が出たのに
届かず地に落ちた
ありふれた言葉なのに
せっかくの言葉なのに
やっと足が動いて
歩けるようになった
なのに世界は止まった
時間が動かない
無駄なことなんて
一つもないんだよ
そう言ってくれた人は
もう隣にいない
やわらかな風に
身を包まれるように
僕は口を開いて
声を出してみた
この声が向こう岸に
届く頃になったとしても
その頃本当に
僕は存在してるのかな
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