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「崇がいうなら・・そうだな。
きっと・・そうなんだ。
楽しみにしてるよ、
明後日のライブ。」
千一はそう笑い、
煙草を・・吹き上げる。
ああ、と頷く崇。
崇は心底ヨシノリに
惚れているらしい。
「あ・・崇。ヨシノリが
JUJUに入るなら・・。」
入るなら?
言ったほうが・・
いいのだろうか・・。
千一は・・少し、躊躇する。
「何?」
崇は千一から目をそらさない。
「・・いや・・いいや。」
「なんなんー?
そんな気になるやんー。」
崇はまるで幼い子供のように
千一にすがった。
・・。
「・・いや、頑張れ・・よ。」
まぁ・・頑張るけど。
崇はどこか
納得いかなそうな顔だった
けれどリハの時間が
迫っていたようで彼は
帰っていった。
ヨシノリ・・か。
悪い奴ではないことは
わかってる。
だけど・・。
美亜に聞いた・・
『紫』と言う名の女の話。
ヨシノリの熱狂的ファン
らしく、ヨシノリに近づく
ためならなんでもするらしい。
周りのファンをつぶしたり・・
ヨシノリに貢いだり。
まぁ・・バンドマンなんて、
そんなものか・・。
だけど・・
女を利用することしか
考えてないバンドマンは。
絶対につぶれる。
それだけは・・はっきり
言いきれる。
ミキオが・・いるから。
大丈夫・・だよな。
なんも問題
起きなければ・・いいが。
少し、不安になった。
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