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「母さん」
柔らかい笑みと口調で、母を呼ぶ。
始まりの理由は小さなものだった。いざとなれば芸能人にならずとも、お金は稼げるし。
でも。
「まだ片足すら入ってないけど、俺は、」
1人だと生まれる負の感情の影に潜んでいた、俺の心の奥底の微かな部分が叫んでいる。
『自分の力を試してみたい』
『いつまでも自身を隠すような生き方はしたくない』
「芸能界に入りたいんだ」
──『あいつを見返したい』
小さな出会いが新たな出会いを呼ぶ。
この決断が、俺の未来を大きく変えたのはまた別のお話──
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