【中2 冬】

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  「母さん」 柔らかい笑みと口調で、母を呼ぶ。 始まりの理由は小さなものだった。いざとなれば芸能人にならずとも、お金は稼げるし。 でも。 「まだ片足すら入ってないけど、俺は、」 1人だと生まれる負の感情の影に潜んでいた、俺の心の奥底の微かな部分が叫んでいる。 『自分の力を試してみたい』 『いつまでも自身を隠すような生き方はしたくない』 「芸能界に入りたいんだ」 ──『あいつを見返したい』 小さな出会いが新たな出会いを呼ぶ。 この決断が、俺の未来を大きく変えたのはまた別のお話──
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