依存症

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「……ボクは?」 「は?」  詰め寄ったシンフィークに、アユミは反射的に身体をのけ反らせて距離を取る。 (……逃したくない……)  そう頭に浮かんだ瞬間、逃げるように距離を取ったアユミの足を引っ掛け、そのままテーブルへと押し倒した。 「……わっ!? なん、だ……」  軽く打った背中を手で摩ってるうちに、覆いかぶさるように退路を塞ぐ。これで完全にアユミは逃げられなくなった。 「……シンフィーク? 何やってんだ?」  アユミは自分を覆いかぶさるシンフィークを見上げながら、戸惑いがちにそうたずねる。 「気づいてよ……」 「だからなにを」 「……この鈍感」  シンフィークの発言に目を見開いて驚くアユミ。 「何を言ってんだよ。言いたいことがさっぱり……」 「じゃ、こうすれば気づく?」 「は? こうすればって……っ」  言い終わらせるより先に唇を自分のそれで塞いだ。離れようとする前に頭の後ろに手を回してあるため、逃げることはできない。 「ん……ぅ……」  入れた舌で歯列や唇などを舐める。  気持ち良さに声を漏らすの聞き、唇が離した。 「……ボクとじゃ、嫌……?」  今、自分はとても泣きそうな顔をしてるのだとわかった。  自分の表情に何とも言えないのだろう、アユミが少し横を向いて黙り込んでいるのだから。 「ボクのこと、嫌い……?」 「それは、違……」  こぼれたつぶやきに反応したアユミは身体を少し起こして首を振った。
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