腹黒さの中は?

2/4
前へ
/43ページ
次へ
 炎の国フランベルジュ。  この国の皇子は例年稀に見る双子である。  ツヅカはそんな二人の専属騎士として毎日…………。  ドガシャアン!! 「あっっっぶなァアアア!!!」 「おいおいツヅカ。勝手に避けないでくれよ」 「アホかアアア!! あんなもん嫌でも避けるわァァァッ!!!」  ――双子皇子の兄、ルティスから(攻撃に近い)スキンシップ(?)を受けていた。 「なんであんな馬鹿でかい火球を飛ばしてくんだよ!! ボク何かした!?」 「なんだ、気づいてないのか? やれやれだな……」 「なんだと!?」 「ツヅカ、落ち着けって!」  今にも殴り掛かりそうなツヅカを止めたのは双子皇子の弟、クーレイだった。 「だってクーレイ! ルティスがいきなり攻撃してきたんだよ! ボク、何にもしてないのに!」 「いやいや、君は俺の心を弄んでくれたんだよ?」 「弄んでねーよ!! ってか何もしとらんわ!!」  にこにこと言っているルティスに全力でつっこみを入れるツヅカ。  毎日被害に遭っているが、実際ツヅカは六割近く――二割はツヅカが、残る二割はクーレイが本当に原因で攻撃を受けている――は何もしていないのに被害を受けているのだ。叫びたくなるのも無理はない。 「ツヅカ、おまえバカ?」 「バカはおまえだ! ルティスのバーーーカ!!」  ルティスにバカと言われ、子供みたいに怒鳴り返しながらその場を去っていった。 「あーあ……普通は不敬罪で取っ捕まるんだけどなあ?」 「いや、さすがにそこまで言われたら『何か言ったか?』いや! 何も言ってませんッ!!」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加