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炎の国フランベルジュ。
この国の皇子は例年稀に見る双子である。
ツヅカはそんな二人の専属騎士として毎日…………。
ドガシャアン!!
「あっっっぶなァアアア!!!」
「おいおいツヅカ。勝手に避けないでくれよ」
「アホかアアア!! あんなもん嫌でも避けるわァァァッ!!!」
――双子皇子の兄、ルティスから(攻撃に近い)スキンシップ(?)を受けていた。
「なんであんな馬鹿でかい火球を飛ばしてくんだよ!! ボク何かした!?」
「なんだ、気づいてないのか? やれやれだな……」
「なんだと!?」
「ツヅカ、落ち着けって!」
今にも殴り掛かりそうなツヅカを止めたのは双子皇子の弟、クーレイだった。
「だってクーレイ! ルティスがいきなり攻撃してきたんだよ! ボク、何にもしてないのに!」
「いやいや、君は俺の心を弄んでくれたんだよ?」
「弄んでねーよ!! ってか何もしとらんわ!!」
にこにこと言っているルティスに全力でつっこみを入れるツヅカ。
毎日被害に遭っているが、実際ツヅカは六割近く――二割はツヅカが、残る二割はクーレイが本当に原因で攻撃を受けている――は何もしていないのに被害を受けているのだ。叫びたくなるのも無理はない。
「ツヅカ、おまえバカ?」
「バカはおまえだ! ルティスのバーーーカ!!」
ルティスにバカと言われ、子供みたいに怒鳴り返しながらその場を去っていった。
「あーあ……普通は不敬罪で取っ捕まるんだけどなあ?」
「いや、さすがにそこまで言われたら『何か言ったか?』いや! 何も言ってませんッ!!」
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