腹黒さの中は?

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 剣をちらつかせながら黒く笑う兄の言葉に、弟は冷や汗を滝のように流しながら後ずさった。  弟の様子にくっくっ、と喉の奥で笑いを噛み殺す。 「そんな身構えるのはやめろよ。ジョーダンだよ、ジョーダン♪ …………半分は」 「半分は!!?」  ルティスの言葉に目を剥いて驚くクーレイ。半分は、ということは残る半分は本気でクーレイをぼこる気なのだろうか。 「勘弁してくれ、兄貴……。……だからツヅカに逃げられんじゃねぇの」  兄の性格に疲れ果て、ついぼそりとつぶやいてしまう。……が、この腹黒の兄が見逃すはずがなく……。 「……それ、どういう意味だ? このスットコドッコイが」  収めたはずの双剣の片方をまた抜き、それをクーレイに向けるのだった。 「う……っ。だって……」  剣の切っ先を見ながら、クーレイはどこか拗ねた子供のような表情で渋っている。 「だって……なんだ?」 「……俺、知ってんだぞ。兄貴……ツヅカが……」 「…………」  真面目な顔をして口ごもる弟にキョトンとなり、次には、 「……いッッッでぇえええ!!! な、何すんだよ、いきなり!!」  剣の柄の方で、クーレイの頭を思いっきり殴っていた。 「何、はこっちのセリフだって。珍しく急に真剣な顔になったと思ったら……」 「珍しくは余計だ! 喧嘩売ってんかよ!」  頭をガシガシと掻きむしると、クーレイはさらに声を荒げる。 「ツヅカのことだよ! 兄貴がツヅカが好きだってことはもう知ってんだよ!」 「あー、それね? うん、確かに好きだけど?」 「いやにあっさりだな、オイ」
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