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移動した事も雨が降っていた事も神楽ちゃんに話しかけてもらうまで気がつかなかった
別に気にしていなかったのに…
今頃皆心配しているかな…
「ごめちゃん……かごめちゃん……!」
「えっあっごめん…」
「………」
神楽ちゃんの青い目が心配そうに私をとらえた
「ねぇ、神楽ちゃん…」
「ん?どうしたアルか?」
「もし自分に…好きな人がいて好きな人が昔好きだった自分よりずっと綺麗な他の女性が現れて…自分の好きな人が会ってたらどうする?」
何でこんな言葉が出てきたのかわからなかった
でもこの子の青い目を見ていたらいつのまにか発していた
「外見が勝てないなら心は綺麗で大きくなればいいことアルそうすれば輝くんだってマミーが言ってたアル」
「………」
「内側からの輝きは人を惹き付けるってだからかごめちゃんは内側からの輝きを大きくすればいいネ酢昆布食べるアルか?」
「う…うん」
と私に酢昆布をわたして言った
渡された酢昆布はやっぱり酸っぱかった
心はさっきみたいにもやもやしてなくて軽かった
カチッ
「かごめちゃん!」
珊瑚ちゃんが目の前にいた
「あれ?え?」
私さっきまで…神楽ちゃんと…
「急にいなくなるから皆捜してたんだよ…」
「あっ…ごめん」
夢…だったんだろうか…
「…!」
いや夢じゃなかった
酢昆布の酸っぱさがまだ口に残っていた
end
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