大好きなのは貴方だけ

お坊っちゃま

「あ．．．御影さん！！」

下がろうとする御影さんを呼び止めた。

「はい、何かご用ですか？心お嬢様。」

「その"お嬢様"ってゆうの、やめてもらえないですか？」

「では心様と．．．。」

「いや、なんかこう．．．もっと普通にってゆうか．．．心って呼んで下さい。」

「それは出来ません、私は貴女に御仕えする身です。
自分の主人を呼び捨てには出来ません。」

「そうですか．．．じゃぁ好きな様に呼んで下さい。」

「有難うございます、ではおやすみなさいませ心お嬢様。」

そしてパタンとドアが閉まった。
ほぅ．．．と溜め息をつき、改めて部屋を見渡した。

あたし好みの部屋ではあるけど、広すぎて何だか落ち着かない。