お坊っちゃま

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「ったく...忘れんなよ。 で?何が飲みたいの?」 「何でも良いよ?」 「ソレが一番困る。」 裕也君が面倒臭そうに聞いてきた。 そんな時、後ろから声を掛けられた。 「心様...裕也様も、こんな時間にこんな所で何をなさっているのですか?」 「西か...。 心が喉渇いたって東棟彷徨ってたから、ココまで案内してやっただけだ。」 「そうでしたか。 心様、内線でお呼び下されば、私が飲み物をお届けしましたのに。」 「いえっ、そんな...。 御影さんだって、色々と忙しいだろうし...。」 「心配は無用ですよ? 私の仕事は心様にお使えする事ですから。」 御影さんは優しく笑うと、私の前に片足を付いてそう言ってくれた。 「心も変な奴だよな、そんな事を気にするなんて。」 裕也君の当たり前は、私の当たり前ではない。
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