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寝起きで髪の毛もボッサボサの状態で裕也君に抱きかかえられながら、私は食堂へ入った。
「はい、到着っ。」
そう言って裕也君に君は、私を椅子に座らせて自分も席に着いた。
「心ちゃん、おはようございます。
裕也、お前は何故心ちゃんを抱きかかえて食堂に来たんだ?」
「いや、こいつさぁ~中々起きないんだもん。
だから抱えて来た。」
「なっ!?
裕也君が勝手に部屋に入ってきてたんでしょうっ!!」
「お前っ...!!
勝手にレディーの部屋に入ったらダメじゃないか。」
真咲お兄ちゃん...そこよりもっと怒るべきところがあるよね?
「ちゃんとノックしたぜ?
起きなかった心が悪い。」
そう言うと裕也君は朝食を食べ始めていた。
「はぁ...。
すみません、心ちゃん。
こんな阿呆な弟で...。」
「あはは...。
あっ!!そうだ!!
真咲お兄ちゃん、後で聞きたい事があるんだけど。」
「もしかして学校の事ですか?
もう編入手続きも済ませてあるから、大丈夫ですよ。
登下校は車で送り迎えするので安心して下さい。」
笑顔で答える真咲お兄ちゃん。
でも私はあの大学を卒業したかったのだ。
それなのに、勝手に編入手続きを済ませられていた事に凄く腹が立った。
「ご馳走様。」
どこにぶつければいいか分からない怒りを、この場では周りの人たちに見せたくなかったので、私は食堂を出て行った。
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