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「凄い...綺麗...。」
「こんなトコで何してるの?」
その声につられて後ろを振り返ると、そこには修羅君が居た。
「えっと...。
お散歩してたら迷子になっちゃって...。」
「そう...。」
そう呟くと彼はキャンバスに向き直り、絵を書き出した。
「修羅君、絵を書くんだね。
見てもいいかな?」
「...。」
その沈黙をOKと受け止めた私は、修羅君の後ろに回り込みキャンバスを覗いた。
そこには噴水を中心に広がるバラ庭園が描かれていた。
「凄いっ!!
修羅君って、とても綺麗な絵を書くんだね。」
私の声が大きすぎた所為か、ビックリした様な表情で私を見た修羅君。
そしてキャンバスに向き直り、また絵を書き出した。
「ありがと。」
とても小さな声でそう呟く修羅君の耳は少し赤くなっていた。
そんな彼が可愛くて、私は小さく笑ってしまった。
「ふふっ。」
「心お姉ちゃん、何笑ってるの?」
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