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「パチュリー様。紅茶が入りました」 名前を呼ばれて振り返る。そこにはこの紅魔館のメイドである、十六夜咲夜。 まさに瀟洒と呼ぶに相応しい身のこなしで、私が向かっている机にカップを置いた。 「そう。ご苦労様」 いつも通りの労いの言葉をかけ、カップに指をかける。 一口飲もうとしたが、カップに目を落とした瞬間、時間を止められたように私の動きは止まった。 「……咲夜」 「何でしょう」 私の呼びかけに咲夜は即座に応えた。多分、解っていたのだろう。
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