25人が本棚に入れています
本棚に追加
咲夜はじっとして動かない。多分私が一口でも飲むまでこのままだろう。私も飲むのを躊躇う。
埒が明かないので、意を決し、一口だけ飲んでみる。
……あれ?
「……なんだ、美味しいじゃない」
少し驚いた。流石にあの色から、この味は想像出来ない。一口で私のお気に入りとなった。
「お褒め頂き、ありがとうございます」
「レミィには?」
紅魔館の主であるあの子の所には、私より先にこの紅茶が運ばれているだろう。
味見なら、妖精メイドにやらせているだろうし。
「お嬢様には先程同じものをお持ちしました。大変美味しそうに飲んでおられましたが、『紅茶なんだから紅い方が良い』との事で……」
「レミィなら言いそうね」
そう言って笑ってみせる。咲夜も愛想良く笑ってくれた。
最初のコメントを投稿しよう!