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咲夜はじっとして動かない。多分私が一口でも飲むまでこのままだろう。私も飲むのを躊躇う。 埒が明かないので、意を決し、一口だけ飲んでみる。 ……あれ? 「……なんだ、美味しいじゃない」 少し驚いた。流石にあの色から、この味は想像出来ない。一口で私のお気に入りとなった。 「お褒め頂き、ありがとうございます」 「レミィには?」 紅魔館の主であるあの子の所には、私より先にこの紅茶が運ばれているだろう。 味見なら、妖精メイドにやらせているだろうし。 「お嬢様には先程同じものをお持ちしました。大変美味しそうに飲んでおられましたが、『紅茶なんだから紅い方が良い』との事で……」 「レミィなら言いそうね」 そう言って笑ってみせる。咲夜も愛想良く笑ってくれた。
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