25人が本棚に入れています
本棚に追加
「また来たのね。……人形遣い」
元人間の魔法使いである、アリス・マーガトロイド。ここのところ、よく魔導書を借りに来るようになった。
「それはまぁ、借りた本は返さなきゃでしょう?」
そう言うと、人形遣いは小悪魔に持っていた魔導書を渡した。
魔理沙とは違い、この人形遣いはきちんと魔導書を返しに来る。
……というより、当たり前の事をしているだけだが。
「また借りて行くわね」
「どうぞ」
素っ気なく返事をすると、人形遣いは魔導書を探しに歩いて行った。
実のところ、私はこの人形遣いの事はそんなに好きではない。
貸した魔導書は必ず返しに来るので客としては歓迎なのだが、人形遣いは元人間という事で、巫女や魔理沙のような人間と仲が良い。
その影響か元々そうなのか、彼女はとても友好的な生活をしている。
私はそういった人間や妖怪と、どうも合わないらしい。
私はまた魔導書を読み始める。手持ち無沙汰になった小悪魔は、ふらりとどこかへ行ってしまい、また静かになった。
私は蒼い紅茶に口をつけ、魔導書に集中した。
最初のコメントを投稿しよう!