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「君の名前は?」
相手が訊いてくる。どうしようか。入江と名乗るのが普通だが、どうやら、この世界では、一般的な名ではないようだ。ここは――
「俺はイリト」
「イリトか…。よろしく!」
握手を求めるように手を差し出してくるリセーク。とりあえず、握手した。
まさか、こんな時に類が付けたあだ名が役に立つとは思いもしなかった。
「っ!?」
俺が少なからずも一種の問題を乗り越えた時、大きなサイレンの音が聞こえてきた。
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