現実から逃げた

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運送屋ではまず某有名百貨店の宅配部門に配属された。野球から離れ初めて野球に対する後悔を日々感じていた。しかしもう戻れない。そんな気持ちを繰り返しながら“仕事”というものが解り始めた。入社2年目に配達所の所長を任命された。更に2年後会社が引越事業部を新設し事業部長に任命された。私は生まれ初めてスーツを身に付け営業マンになった。ただし部長なのにパソコンすらできない。どうやって売上を作ったらわからない。他社から腕のいい営業マンを引き抜きその営業マンからすべてのノウハウを盗んだ。 事業部は順調に売上を伸ばしたが、引き抜きをした営業マンの顧客からの売上が8割を占めており会社全体の2割弱の貢献利益しかなく上層部からはお荷物部署扱いされていた。 そんなある日私は突然閃きがあった。マンションギャラリーに飛び込み客のフリをしながら商談をし業者との契約をむすんだ。そこから次々と不動産業界を網羅し部署の貢献利益は会社の4割を越えた。しかし、他部署の不調は自部署と反比例していた。その影響で社員全体の給与カットまで実施された。 会社での貢献利益の上昇を糧に私は上申書を提出した。内容は引越事業部の拡大化であった。「会社にそんな金はない」「たかだかここ数年で調子に乗るな」等散々なセリフが次々と社長の口から出てきた。 部署に戻り私はこの会社の将来性について考えた。 部下には真実と自分の考えを伝え最後に転職すると伝えた。
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