第一章 はじまりは

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そんな涙目の少女の視界の隅にベッドに横たわる少年の姿が入る。 「あれ、こんな人いましたっけ?」 少女が女性に尋ねる。 「昨日運び込まれた民間人よ。ちょうどいいわ、本田小佐を呼んできて」 「何故ですか?」 「呼んでこいと言われたら呼んでこい!!上官の命令は絶対だ、営倉に入れられたいのか!?」 女性が怒鳴った瞬間少女は短く敬礼をした後、尻に火がついたように部屋を飛び出した。 少年は少年で会話のやりとりを聞き、今自分がどんな場所にいるのか大体の見当をつけていた。 「ここはどこの基地ですか?」 少年は女性に尋ねた。だが女性はというと 「あ~、今から来る人が説明するからそん時に聞いてくれ」 と言って椅子に座ると伸びをしながら欠伸をしたのだった。 ここ、本当に基地なのか? と少年は自分の見当が違ったのだろうかと思ったのだった。 しばらくすると、ドアが開き、さっきの少女といかにも軍人という雰囲気の女性が入ってきた。やっぱりここは基地のようだ。 「お目覚めだな」 女性は少年のベッドの隣まで来ると椅子に腰掛けた。 「あ~、君に尋ねたいことがあるのだが良いかな?」 少年は頷く。 「よし、それでは」 女性は質問を始めた。
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