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そんな涙目の少女の視界の隅にベッドに横たわる少年の姿が入る。
「あれ、こんな人いましたっけ?」
少女が女性に尋ねる。
「昨日運び込まれた民間人よ。ちょうどいいわ、本田小佐を呼んできて」
「何故ですか?」
「呼んでこいと言われたら呼んでこい!!上官の命令は絶対だ、営倉に入れられたいのか!?」
女性が怒鳴った瞬間少女は短く敬礼をした後、尻に火がついたように部屋を飛び出した。
少年は少年で会話のやりとりを聞き、今自分がどんな場所にいるのか大体の見当をつけていた。
「ここはどこの基地ですか?」
少年は女性に尋ねた。だが女性はというと
「あ~、今から来る人が説明するからそん時に聞いてくれ」
と言って椅子に座ると伸びをしながら欠伸をしたのだった。
ここ、本当に基地なのか?
と少年は自分の見当が違ったのだろうかと思ったのだった。
しばらくすると、ドアが開き、さっきの少女といかにも軍人という雰囲気の女性が入ってきた。やっぱりここは基地のようだ。
「お目覚めだな」
女性は少年のベッドの隣まで来ると椅子に腰掛けた。
「あ~、君に尋ねたいことがあるのだが良いかな?」
少年は頷く。
「よし、それでは」
女性は質問を始めた。
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