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その悲しい笑顔の理由が聞きたくなった僕。思い過ごしなのかなと半身半疑で問いかけようとした。
「なぁ、たっちょん。どうし」
♪~♪♪~♪~
「あ、ちょお待って。」
しかし、それは大倉の携帯電話の着信音で遮られてしまう。
「・・・おん。自分で確かめたらええやん。じゃあね。」
僕には投げかけてきたこともないような冷たい声。一体、電話相手は誰なんやろ。
そんなことを思っているうちに、たっちょんは電話を切ってこちらを向いていた。
「あーあ。疲れたなぁ」
そう言って、大倉はまたふわりと笑った。いつも通りの笑顔で。
「どうしたん?」
「んー、俺もうすぐ失恋するわ」
「え・・・」
そんな、明るく言うもんなん?
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