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「渋谷、もう上がっていいぞ。」
「はい、お疲れ様でした。」
深夜を回り、店も閉める時間。上がってもいいと言われ、エプロンを外しながらスタッフルームに入った。
中へ入ると、大倉が帰る準備をしていた。
大倉が俺に気づいて軽く頭を下げる。
「お疲れ様です。」
「おう、お疲れ。」
なんかぎこちない俺ら。
仕事で避けてたら、そりゃぎこちなくもなるわな。
そんなことを思いながら、自分のロッカーにエプロンを突っ込んだ。
「・・・ほな、また明日。」
俺は上着とバックをロッカーから出して、スタッフルームから出ようとした。
すると後ろから急に右腕を掴まれた。
そのせいでバランスを崩した俺は、後ろの大倉にもたれ掛かるような体制になってしまった。
「な!?おーくら?」
「待って、下さい。」
独特な低めの声が耳に響く。
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