紅い硝子玉

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「そんなこと、ないですよ。」 「え?」 俺の独り言のように呟いた声。 だってホンマにそう思うから。 「ヤスはちゃんとすばるくんのことが好きやし、傍に居ると幸せやと思います。せやなかったら、いつもすばるくんの隣にいないですよ。」 メンバーの中で一番社交的なヤス 大阪にも東京にも友達はたくさんいて、いつも携帯電話がかかせないほど電話やメールをしている。 でも、一番はやっぱりすばるくんやねんで? 『あれ?ヤス、友達と飲みに行くんやなかったん?帰らんでええの?』 『あー、あれ断ってん;』 『なんで?』 『久々に渋やんとデートやから!待ってんねん♪』 『はわ~』 『何その相槌(笑)』 そんな会話を何回交しただろう。 ヤスとすばるくんやから。 俺はすばるくんが好きでも かなわへんと思った。 ヤスとすばるくんやから 今、俺は二人の友達として ここに居れんねん。 ちゃんと心から応援できるねん。  
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