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「……どうかしましたか?」
それとなく様子を探ってみよう。
「いや、なんでもございません。ね、ミラ――ミクちゃん?」
「うん、ちーちゃん」
元の天使のような声。ちょっと安心。でも――顔は笑ってない!?
「すみませんがお客様。これ以上の粗相は控えていただけませんでしょうか?さすがに業務にも支障を来していますし。それに内のスタッフもかなり疲れているようですので」
もし、何かまだあるのでしたら――と続け、ちーちゃんと言われる人は言った。
「マスター呼んで来ますよ?」
「!?」
「ち、ちーちゃん!?」
うわさに聞いたことがある。とある喫茶店のマスターのうわさ。そこのマスターは見かけ自体はとても美しく、誰もが魅了される。知性も持ち合わせる完璧な女。
しかし、本当の姿は冷徹なる魔女。その巧みな話術で幾人もの男性を騙してきたとか。
情報源のほとんどはアイツ。だから信憑性は薄いかな。
でも、仮にそれが本当だったとしても私は女だから何も怖くない。むしろかかってこいだ!!こんな簡単に引き下がるわけがないでしょ!!
この、ミクちゃんのためなら魔性の女だってなんぼのもんじゃい!!!
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