香織

2/7
前へ
/22ページ
次へ
「ん…」 「将!?」 「…ッ…香織…?」 目をゆっくり開けると、映ったのは香織の姿だった。何で香織が…此処に? というか、此処は? 「此処は……?」 「病院の病室だよ。貧血だって。もう大丈夫だから帰れるよ。」 病院… 「そか…。今何時か分かる?」 「夕方の5時だよ。将が倒れてから大変だったんだからさ。あの時もう大幅に遅刻決定だったから、学校休んだし。」 香織… ずっと俺の傍に居てくれたんだ…。 なんか、嬉しい。 久しぶりだ、この感覚。 安心できる感覚。 「のど渇かない?何か買ってこようか?何したらいい?」 俺が今一番してもらいたいことは…… 【魂は闇にさ迷い、肉体は消滅する】 忘れたい。 あの嫌な夢。 俺は闇側の人間…? 死ぬのか? 明日?一ヶ月後?一年後? ………嫌だ。 死ぬのは、怖い。 もちろん、あの夢を完全に信じている訳じゃない。 でも、怖い。 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い… 「傍に居て。」 「え?」 「傍に居て欲しいんだ。」 怖いんだ…… 今すぐ、死にそうな気がして。 .
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加