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「ん…」
「将!?」
「…ッ…香織…?」
目をゆっくり開けると、映ったのは香織の姿だった。何で香織が…此処に?
というか、此処は?
「此処は……?」
「病院の病室だよ。貧血だって。もう大丈夫だから帰れるよ。」
病院…
「そか…。今何時か分かる?」
「夕方の5時だよ。将が倒れてから大変だったんだからさ。あの時もう大幅に遅刻決定だったから、学校休んだし。」
香織…
ずっと俺の傍に居てくれたんだ…。
なんか、嬉しい。
久しぶりだ、この感覚。
安心できる感覚。
「のど渇かない?何か買ってこようか?何したらいい?」
俺が今一番してもらいたいことは……
【魂は闇にさ迷い、肉体は消滅する】
忘れたい。
あの嫌な夢。
俺は闇側の人間…?
死ぬのか?
明日?一ヶ月後?一年後?
………嫌だ。
死ぬのは、怖い。
もちろん、あの夢を完全に信じている訳じゃない。
でも、怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…
「傍に居て。」
「え?」
「傍に居て欲しいんだ。」
怖いんだ……
今すぐ、死にそうな気がして。
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