香織

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「………うん。」 病室のベッドの横にあるイスに座って、何も聞かずに黙って俯いた香織。 でも、安心には欠ける。 寒い。 背中が寒い。 「香織。俺を安心させて。何でもいいから。 安心したい…怖いよ………!」 「……………将のばか。」 温かい。 人の温もりってこんなに温かいんだ。 あの嫌な夢を、俺は本当に見た? さっきの怖い感覚は何処へ? もう、どうでもいい。 「すごい…ホッとする。」 「安心した?」 「うん。もう、怖くない。」 だけど、違う感情がわいた。 何やってんだ俺────!!い──や──!! は─ず─か─し──!! という。 心はもう、暴れ放題。ドキドキが……止まりません。 何なんだろ。 今までこんなの無かったのに。 あぁ。 気付かなかっただけ? 鈍感なだけ? 香織のこと、すごい意識しちゃう…。 駄目だ、心臓がもたない。 「あ、あ、香織、あの、ありがとッ。も、大丈夫だからッ」 「そう。じゃ、もうそろそろ帰ろっか。」 「う、うん。」 コ、コイツはただの幼馴染み! 何ドキドキしてんだッ!? ワケわからん!! あぁ―、おさまれ!俺の心臓! .
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