2人が本棚に入れています
本棚に追加
「………うん。」
病室のベッドの横にあるイスに座って、何も聞かずに黙って俯いた香織。
でも、安心には欠ける。
寒い。
背中が寒い。
「香織。俺を安心させて。何でもいいから。
安心したい…怖いよ………!」
「……………将のばか。」
温かい。
人の温もりってこんなに温かいんだ。
あの嫌な夢を、俺は本当に見た?
さっきの怖い感覚は何処へ?
もう、どうでもいい。
「すごい…ホッとする。」
「安心した?」
「うん。もう、怖くない。」
だけど、違う感情がわいた。
何やってんだ俺────!!い──や──!!
は─ず─か─し──!!
という。
心はもう、暴れ放題。ドキドキが……止まりません。
何なんだろ。
今までこんなの無かったのに。
あぁ。
気付かなかっただけ?
鈍感なだけ?
香織のこと、すごい意識しちゃう…。
駄目だ、心臓がもたない。
「あ、あ、香織、あの、ありがとッ。も、大丈夫だからッ」
「そう。じゃ、もうそろそろ帰ろっか。」
「う、うん。」
コ、コイツはただの幼馴染み!
何ドキドキしてんだッ!?
ワケわからん!!
あぁ―、おさまれ!俺の心臓!
.
最初のコメントを投稿しよう!