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｢俺｣は今、女の山の中心にいる
実際うんざりしている
昨日もカジノで女の山が
出来ていた
きつい香水の匂いに
吐きそうだ
来なけりゃよかった
今更後悔しても遅い
｢俺｣はボルサリーノを深く被り
壁に寄り掛かった
もちろん
女共を視界に入れないように
下を向いて
その時
拍手が巻き起こった
何事かとステージに目を向けると１人のピアニストが司会者に紹介されていた
白銀の髪に水色のドレス
そして紅い目の女
嗚呼
｢片目のピアニスト｣か
左目側に仮面をして
演奏する、とかで有名な奴
そういえば
昨日カジノで見た
…あのボルサリーノは何処に
飛んでいったんだ？
結構気に入ってたのにな
ぼんやりと
そんなことを考えていたら
ピアノの演奏が始まった
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