三章 亀裂

2/10
前へ
/53ページ
次へ
あれから、清水くんとの やり取りは増えた。 会って話す、とかじゃなく メールとか電話。 楽しいしもっと長くしていたい。 なんて思う。 だけど、やっぱりダメ。 清水くんは花梨の 彼氏。 私の親友の 彼氏。 会わないのも私なりの気遣い。 いや、私の後ろめたさかもしれない。 どちらにしろ、この恋の答は 始めからわかってたから 別になんともない。 はず。 「実際さー、陸は海の事好きに なっちまったんだろ? そんなの仕方なくね? 別に誰が誰を好きになろうが そいつの勝手じゃん?」 「相手が親友の彼氏でも?」 「俺なら問題ない!」 私が最近相談を聞いて貰ってるのは 幹夜。通称ミキ。 見るからに不良です、 みたいな感じの男だが、 不良ではない。 馬鹿である。 「ま、俺はそんな陸が好きだけどな……」 「私、ここ、払うから。 ……何?何か言った?」 「……べっつにぃー?なんでもねー。ごちでーす!」 今日のミキは変だった。 ミキの言葉さえしっかり 聞いてあげてたら、少しは先が 変わってたかもしれない。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加