三章 亀裂

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珍しく花梨が欠席だった。 私ならともかく。 親が居なくなって私は 兄に多大な迷惑をかけた。 学校にも行かず、夜出歩いた。 まともに外に出ず、家の中で インターネットの毎日。 出るとすれば、喧嘩かコンビニ。 そんな生活の中でも、兄は毎日 私にご飯を作り、気にかけ、 バイトの掛け持ち。 そんな兄を見て影響されたか、 学校に久々に出た時だ。 花梨が私に笑って話し掛けた。 花梨は成績優秀な優等生。 昨日も電話して、なんともなかった。 今日になって体調不良? ……何かありそうな、 そんな胸騒ぎ。 私には花梨しか居ないから、 あの子だけは幸せになって欲しいから 私は帰りに花梨の家に寄る事にした。
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