三章 亀裂

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私と清水くんが花梨の病室に 駆け込んだ時、病室はめちゃくちゃだった。 「離して!もういいの!死なせてよっ!」 ドクン…… 心臓が大きく、静かに跳ねた。 確かに花梨が言った。 ”死なせて”と。 あれだけ元気で明るく、いつも 私を励まし、側にいてくれた 花梨が泣きながら物を投げ、 皆を拒絶していた。 「陸……里……。」 「!」 静かな声に旋律した。
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