ショートの国のアリス

○ある日の侯爵様●

「……だってさ。
もう一枚あるみたいだけど、読んでみる？」
「……そりゃな…一応…」
あっけらかんとしているボリスと、渋い顔のゴーランド。
ボリスが紙を入れ替え、二枚目に目を通す。
『メリー=ゴーランド様
貴方は次回作クローバーの国のアリスに出演しません。
ごめんなさい。
　　　　　　by制作者』
「……」「……」
重い沈黙が流れた。
ゴーランドが無言でバイオリンを構える。
それに気付いたボリスが驚愕して逃げ出す。

それから数時間帯…
遊園地から不協和音が絶える事はなかった…

～fin～