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「紅葉は照れ屋だねぇ♥」
「ウザイ、キモイ、死ねマジで」
「そういう正直じゃないところも好きだよ紅葉」
「おーい、誰かコイツを殺せー」
「誰もボクを殺せないよ。ボクを殺せるのはキミだけさ、紅葉」
「…あの、その語尾に名前を呼ぶのやめてもらえます?気持ち悪いんで」
「紅葉は照れ屋だねぇ♥」
「無限エンドレスッ!」
…この何の脈絡もない会話(?)をしているのは、世界にまで名の知れる有名なカップル、私…青谷紅葉(アオタニ モミジ)と赤谷忍(アカヤ シノブ)。
何故、私たちの名前が世界にまで知れ渡っているのかというと、原因はこの男…赤谷忍のせいである。
「紅葉、そろそろ彼氏であるボクを下の名前で呼んでくれてもいいんじゃないかな?」
「誰が呼ぶか気持ち悪い」
「紅葉は照れ屋だねぇ♥」
最初に訂正しておく。
私は決して照れ屋ではない。
照れ隠しというわけでもない。
ただ単に素でこの男を気持ち悪がっているだけだ。
この…、ナルシストでッ!極限にポジティブな男をッ!
彼は赤谷財閥の御曹司。所謂"超"がつくほどの大金持ち。
さらには才色兼備、文武両道。
かなり異性にモテまくるイケメン野郎。
赤谷財閥とは世界に名を轟かす有名な大手大企業様々。
私はそんな財閥の御曹司である男の彼女なのだから世界が知っていて当然。
最早私たちは世界が公認したカップルと言っても過言ではない。
…………だが、世界が公認したとしても、私は絶対に公認などしな―――――いッ!!!!!!!!
御曹司の彼女だなんて、そんな美味しい話は一生ないかもしれない!?
はいOK、OK☆一生なくていいっつーの!
こんなクソ彼氏の彼女になる機会なんて一生なくていいっての。
だって気持ち悪いんだもん!
ナルシストだし、極限にポジティブだし、変態だし、変態だし、変態だし!!!!!!!
私がどうしてここまでこの野郎を嫌うか話してやろうッ!
聞いて驚くなよ、ここまでの話をッ!!!!!!!
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