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「お断りします」
当たり前だっつーの。
こんな見ず知らずのナルシスト野郎の告白をOKするほど私は容易くない。
その前にこの男に関わっては駄目だ、危険だと、私の第六感が先程からバカみたいに警報を鳴らしている。
ここは自分の本能に従うべきだと判断した私は、男の告白を断った後、華麗なほど綺麗に回れ右をして歩こうとした。
"歩こうとした"。
つまり、歩けなかったのだ。
華麗なほど綺麗に後ろを向いたはいいが、一歩も前に進まない。
その足は地面を踏みしめ前に進もうとするが空振り。
見れば私は男に腕をしっかり捕まれているではないか。
「離してください」
「照れ屋だなぁ紅葉は♥」
「Σは!?」
今のどこに照れる要素があったというのだ!
知りたいッ!今のどこに私が照れる要素があったのか、コイツの心理的状況が、その思考が知りたい!!
なんだコイツッ!かなりイライラしてきたぞ!
自画自賛!自意識過剰!極度のポジティブにもほどがあるッ!!
なんだこのウザさ!普通の人間はここまでウザくなるか!?
なんだコイツ!ある意味すげえッ!
「…悲鳴上げますよ?」
「悲鳴かぁ……、イイねぇ♥ゾクゾクするよ♥」
Σぎぃやああああああああッ!!!!!!!!!
Σ変態だッ!!!!!!!!!
コイツ、正真正銘の変態だ!!
どうしよう!
無闇に悲鳴を上げたら、この変態を悦ばすだけだ!
と、とにかく…今はこの捕まれた腕を振りほどいて全速力で逃げるしか私に道はなあああいッ!!!!!!!!!
…よし、振りほどくぞ…!
せーの、ふん!…ふん!
ふんぎぃいいいいいいいいいいいい………ッ!!!!
無駄な努力なぐらいがっしりと捕まれて私の腕はビクともせず、男は薄い笑みを浮かべたまま私を見つめている。
Σクソお!なんだあの「振りほどけるものなら、振りほどいてみなよ♥」と言いたげな顔はッ!
ていうか、目!目でそう訴えてるッ!!!!
クソがあッ!女を嘗めんなよお!
こんなもの容易く振りほどいて………
「ああ…、必死なキミってイイ顔をするねぇ♥犯したくなってきちゃった♥」
ΣΣどぅうをおおおおおお!?!?!?!?(動揺)
この変態、道の真ん中で何を言い出す!?!?
やべえ私ッ!
今、危険赤信号ッ!!!!!!
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