-前半-

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「お好きな席に  座って下さい」 デンライナーに乗車したのは 新太郎と同じ歳の 少年だった。 少年は無言で席に座る。 『あの~オーナー』 「何ですか?」 『どうして…僕が  その“クローズライナー”に  選ばれたんですか?』 「私にも分かりません」 『ですよねぇ』 「一つ言える事は…  君には“力”と  “使命”が与えられて  いる事だけです」 『そうです…』 少年は新太郎たちの方を 見ていた。 その後、新太郎は 列車の窓から景色を 眺めていた。 そこに少年が 新太郎に声をかける。 「ねぇ~君」 新太郎は少年の方を 振り向く。 『なに?』 「君、名前は  何って言うの?」 『新太郎…』 「オレは聖矢、  よろしく」 『よろしく…』 「さっき、君とオーナーの  話しを聞いたんだけど、  君のチケットって  凄いらしいねぇ」 『うん…まぁ』 「いいよなぁ~…」 『僕には“力”とか  “使命”って全然…  分からないし…』 「それでも凄いよ」 『そうかなぁ?』 「そうに-…」 その時、デンライナーの車内が 物凄く揺れた。 『どうしたんだろう?』 オーナーは立つ。
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