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「ほら行くぞ疾風。後、このまい?だっけか?着いてこい」
命令かよ!
こんなチャラ男が会長なんて大丈夫なのか?
「琥之舞くん。ちょっと急ぎたいので 手 貸して下さい」
「返して下さいよ?」
「…ちゃんと返します」
疾風さんは僕の手を取った瞬間走り出す。
「急がないと下品な不細工共に捕まります。貴方はきっとタダじゃすみませんよ」
疾風さんに言われて後ろを見れば…うげっ。
あれだ、追っかけがものすごい形相で追っかけてくる。
会長や疾風さんは慣れっこの様で廊下を突っ走る。
僕は彼らの様に足が長くないから当然のごとくけっつまずく。
「うわっ」
手を引っ張らてるから引きずられると思って眼を瞑ったけど……あれ、痛くない?
「大丈夫ですか?ちょっと失礼します」
フワッと僕の身体が宙に浮く。よく見れば疾風さんに担がれていて。
「ちょっ、危な!下ろして下さい!」
「すみません。今貴方を下ろしたら僕が捕まってしまいます。なので…我慢してください!」
最後の言葉と共に会長と疾風さんは階段を飛び降りる。三十段以上先にある踊り場まで。
恐い。恐すぎる。会長に抱かれてる神啼先輩は…平然としてる。
「…っと。着地成功!」
「ふうっ、着地成功ですね」
二人は一人ずつ担いでるのにも関わらず体制を崩さず着地。
恐すぎる この二人。
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