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何を描くか煩悶しながら、近くの公園まで行き、その公園のサイクリングロードを歩く。
道は桜並木になっている。春には桜が満開となり、道が淡いピンク色に染まる華やかな情景が目に浮かぶけれど、今その繊細な枝には葉すら付けていない。
桜と桜の合間には躑躅が植えられている。あの甘酸っぱい春の味を思い浮かべるが、その春らしい梅紫の花は見当たらない。
冬の淋しさをひしひしと感じていると、空から、雪がひらひらと舞い落ちてきた。
少し物寂しい、冬の桜が舞い散っている。
・・・雪の華・・・
この偶然に、これは良いかもしれない!
と画家は思ったが、その拘りがズカズカと我が物顔で顔をだす。冬の情景であって、二月ではない・・・どうしても二月に拘りたい画家の心情であったが、然し、拘り過ぎるとそれは意地となる。その拘りは意地になった。
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