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カラッ…
薄暗い部屋で、この音だけが鳴り響いた。
ろうそく四本分ほどの明るさしかない状態の、幾多もの本が並ぶ図書館のような書斎で何かが行われている。
「これは……。」
机にある道具を眺めて、机にひじを打つ男が低い声で言う。
薄暗い部屋でその男が今どういう表情で何をしているのかは、自分以外分からない。
そして男は、今行われた何かの結果を言った。
「ふむ。これもひとつの定めなのかもしれん。…決めたぞ」
机に置かれている羽ペンがひとりでに動き出す。
それはサラサラと真っ白の紙に絵を書き上げていく。
どうやら女性の絵が書かれたようだ。
これがどんな意味をもたらされるのか――
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