1112人が本棚に入れています
本棚に追加
「ギャー!?」「ひぃー?!」「うわーダメだー」
ドカーン、という冗談のような爆音が響き、冗談のように統一された服装の人々が宙を舞った。
「ふん・・・・あたしの前に立ちはだかるからよ」
少し膨らんだ胸を逸らして凝った衣装の少女は言い放つ。膝より少し上の位置までしかないスカートや肘ほどまでしか服の袖。そこからシミ1つ無い白い綺麗な肌が露出していた。
ショートカットの淡い薄紅色の髪をした有り体に言って美少女だった。
「く・・・・流石神に祝福された“聖なる娘”・・・・やはり強い・・・・」
「正義のヒロイン舐めないことね!あんたら如き雑魚が山になってもあたしに勝てるわけないわよ!」
ビシィ!と指差しながら超上から目線で言い放つ少女。くっ、と呻く倒れた大多数。そして一言。
『何も・・・・言い返せない・・・・!』
力強く拳を握り締めながら言う。そしてその目の前にコン、コロロと何かが転がって来る。ん?と全員が注目した瞬間、“それ”は盛大に爆光と爆音を伴い爆発した。
「ぐあぁぁぁ!!?」「目が、目がぁぁぁ!?」「せ、世界から・・・・音が絶えてやがる・・・・」「おかーちゃーん!」「僕、疲れたよ・・・・パト○ッシュ・・・・」
「阿呆。光と音だけだ」
上空からそんな声が降ってきた。はっ、と全員が見上げればやられている方は歓喜と一種の諦めを浮かべ、少女は額に青筋を浮かべた。
『ケイ様ぁぁぁぁぁ!!!』
「ようやく来たかこの腐れ外道ぉぉぉ!!!」
その反応を見てしゃがみこんでいた足下近くまである黒コートを身に纏った青年―――ケイは肩をすくめて冷たく言った。
「とりあえず黙れザコ共」
最初のコメントを投稿しよう!