悪の組織の構成員の1日

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「んで?結局お前何しにきたの?」  うんざりしたようなケイの呟き。ルキの額にピシッと青筋が浮かぶ。 「今回こそ決着を付けないといけないからねぇ」 「うざい、めんどい、消えろ」  三言で一蹴するケイの言葉に完全に堪忍袋の尾がブチ切れたルキ。ゴッ、と彼女の周囲の空間が蜃気楼のように歪む。 「本ッ格的に徹底しないとダメみたいねぇ・・・・いいわ、今回こそ潰して『再生する世界』に連れて行って牢屋で完全更正させてあ・げ・る・・・・・・ウフフ・・・・」  かなり暗い怖い笑みを浮かべバッと腕を突き出し“魔法”の始動条件である“コマンドスペル”を唱える。 「『燃え盛れ、真紅の炎火(ほむらび)!射抜け!』【真紅の射手(ファイアアロー)】!!」  大気が揺らめき、灼熱の炎が幾本もの矢となり顕現する。そしてそれは当然というべきが、ケイに殺到する。
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