プリンスはキワモノ

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さて、沢本先生。長くて茶色がかった髪。肌の色は普通だけど、綺麗だ。スーツをビシッと決めてはいるけど、おそらくは新任なのだろう、まだ緊張している雰囲気がある。とまぁ、新入生の俺が新任の先生を評価するなんていう阿呆らしいことはさておき、今度は生徒が自己紹介する番だ…とは言っても俺に回ってくるのはまだ先。プリンスのMusicologyを聞く時間はあるな、なんていう自分でも分かるほど甘えた考えをしていると。 「さて、今から皆さんには自己紹介をしてもらうんですけど、その前に。真音君!音楽を聞くのはやめなさい!人が一生懸命自己紹介しようとしている時に、そんな態度はよくありません!」 あらら、初日から怒られてしまった。これ以上怒られると没収の可能性があるので、素直に頷いてイヤホンを耳から外す。 「うん、分かってくれてありがとうね。じゃあ、秋川さんから自己紹介おねがいね。」 「はい。」 秋川と呼ばれた女子は立ち上がって、自己紹介を始める。暇だしクラス全員の名前くらいは覚えるかな。 「あら、西荻さんは初日から休みかしら。どうしたんでしょう…。」
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