ＮＯ ＭＵＳＩＣ ＮＯ ＬＩＦＥ

プリンスはキワモノ

自己紹介も俺の隣の席まで進み、しかしそこで止まってしまった。肝心の本人がいなかったからだ。
「仕方ありません、西荻さんはとばして西村さんからお願いします。」
とまぁ自己紹介は続行。
てかもうすぐ俺だよ…半端なく緊張…しないな特に。自己紹介なんかどっかで聞いた言葉を適当に並べとけば成立する簡単なもんだしな。
「斐川徹です。趣味はヒューマンビートボクシングです。よろしくお願いします。」
お前誰だよ。ヒューマンビートボックスだろ、それ。
「はい、じゃあ次は真音君、どうぞ。」
ついに俺の番か。なるべく目立たないように、地味に、と。
「どうも、えっと、音楽が好きです。聞くの専門ですけど。よろしくお願いします。」
フ、完璧だぜ。
「あの、真音君…名前…。」
先生は困り顔で俺の名を呼ぶ…。？俺の名前？あ、言うの忘れてた！ヤベ！
「すいません、俺の名前は孫に泣かれです！」
ってかんじゃった！俺は強面のおっさんか！
「間違えました！真音流です！よろしくお願いします！」
俺はすぐに席に座る。…いや、まぁいいか。

クラス全員の自己紹介が終わり、今日はそのまま解散となった。ＣＤショップにでも寄るかな、と考えていた帰り道。