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「あのさ…自惚れはやめないか?」
俺が言うと同時にその女性は目をかなり鋭くして睨んでくる。…おー怖。
「自惚れ?あんたは何を意味分かんないことを…」
「だってそうだろ?俺はただ、俺がムカつくやつを殴っただけ。お前を助けるためじゃない。お前に興味なんてないんだから、当然だろう。構ってやろうって気も起きない。でも、あんたは、自分が助けてもらえるって程度には、俺がお前を気に掛けたって思ったわけだ。それって自惚れとは何が違うんだ?」
そう言うと、彼女は俺に殴りかかってきた。俺はそれをギリギリでかわす。…こんなパンチ出来るなら最初から自力で逃げろよ…。
「うるさい!そんな知った様なこと…。」
何だこいつ。ただの痛いやつか。
「知ったようなこと言ったつもりはないぞ。だってお前のことなんて知らないし、知ろうとも思わん。」
本当に勘弁してほしい。俺は早くCDショップに行きたいのに。
「なら、あたしに偉そうなこと言うのはやめてよ!関係ないんだから!」
叫ぶように、裂けるように、その思いの丈を俺にぶつける。
「ああ、そうだね、関係ない。でも関係ないからこそはっきり言えるのさ。お前のそれは自惚れだって。」
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