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「はあ!?何よそれ、意味が分からない!」
相変わらず俺も回りくどいよなぁ。はっきり言うか。
「分かった。はっきり言おう。つまり、俺含め大体の人間はお前に興味がないんだから、安心しろって話だ。」
もしかしたら、目の前の女性には、その人なりに、俺の言動に思うところがあったのかもしれない。けれど、仮にあったとしてもそんなのは俺には関係のない話だった。
本当だったら、こんな謎の生物は放っておいて、さっさと目的地に行くべきだったのだが。しかし、この人は知っておくべきだと思った。大体の人間は、大体の人間に興味がないって、当たり前のことくらいは。
それくらいは人類の共通認識だと知っておいてもらわないと、迷惑だから。
こんな奴がいるってだけで、イライラするから。
「じゃあな。俺はもう行く。用事があるからな。」
俺は何の迷いもなく、何の未練もなく、女性に背を向ける。
早く行かないとまじでCDショップ閉まるし。
「…あんたのその制服、覚えたわよ。」
と、女性がひっそりと呟いていたが、俺には全く聞こえなかった。
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