1151人が本棚に入れています
本棚に追加
「お兄ちゃん何にやけてんの?」
「オギャア!」
な…バカな!さっきまでこいつはあんなに遠くにいたはず…。何だ?今世間では瞬歩の修得が流行っているのか?今どきは履歴書に『瞬歩修得』って書いてないと話にならない世代なのか?だとすれば俺の未来は真っ暗だぜ…。
「てか、そもそもお前どうやって俺に気付いた?」
俺だってバカじゃない。美香に気付かれないようにかなり気を配っていたはずだ。
「だってお兄ちゃん、後ろの方で『今日の俺は完璧だぜ!フフフ!』って叫んでるんだもん。バレバレだよ。」
…もしかしたら俺はバカなのかもしれない。
「はぁ…もういいよ。ところでお前何でこんな時間にこんなところにいるんだ?部活は?」
俺は帰宅部だが美香は生徒会長だ。毎日学校に残って仕事をしているから、俺と美香が帰り道に会うことなんてない。ここに関しては断言できる。実際去年は一度も帰り道には会わなかったからな。
「今日はまだ学校始まって二日目だから、お休みだって。明日から活動再開。」
へぇ。やっぱり生徒会長ってのは面倒なんだな。俺は絶対ならないようにしないとな。まず生徒会にすら入りたくない…ってもう手遅れか。
最初のコメントを投稿しよう!