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「いつものように学校から帰ってきて、洗濯物を取り込んで、干して、ご飯を作って…そうしたら玄関のチャイムがなったんだ。両親が帰ってきたのかな、と何の疑いもなくドアを開けると、そこにいたのは―知らないおじさんたちだった。」
やはりどうでもいいのだった。
「もう、あんたの想像通り。あたしは売られたんだ。人身売買…あたしにしてみれは人心バイバイ、ってやつに。」
そんな話を聞かされても、やはり俺は何とも思わなかった。そこには感傷も干渉もなく、俺にしてみれば、どこまでも無機質な鑑賞しかなかった。
「怖かった。おじさんたちも怖かったけど…何より、義父さんと義母さんが怖かった。あたしがあんなに大好きだった二人が…平気であたしを裏切るなんてことが、恐ろしくてたまらなかった。」
そういえば今日水曜日だよな。新しい曲の試聴とか出来るところないかな…?
「それから、あたしは必死でその男たちから逃げた。宛てはなかったけと、先がないよりましだって、そう思ったから。…それからは、とりあえず学校には登校し続けた。お金は、中学校は私立で、授業料は先払いだったから、学校に関しては何の問題もなかった。」
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