ＮＯ ＭＵＳＩＣ ＮＯ ＬＩＦＥ

すばせかのサントラはもはやゲーム音楽のレベルを越えてる

西荻は悲痛そうに顔を歪める。
「家は…最初の頃は不定期だった。大体クラスメイトの女子の家や…男子の家に泊まったこともあった。」
考えてみれば滑稽な話だ。そもそも西荻の話を聞くために呼び出された以上、少なくとも俺には西荻の話に興味があるはずなのに、不思議な位に何も感じない。本当に…何しに来たんだよ、俺。
「男子の家では体を求められたりもした。その度にそいつの家からは逃げ出したりしたけど…。そういう時は決まって公園で夜を明かした。公園で過ごす夜は寒くて…怖くて、本当に嫌だった。」
目から涙が流れ落ちる。俺には何で西荻が泣いているのかすら分からなかった。
「でもある日、その時の担任が家に置いてあげる、って言ってくれた。嬉しかった、でも怖かった。またこの人も―あたしのこと、裏切るんじゃないかって。」
自らの経験に基づく人間不信。自らの諦観に基づく人権不振。そしてその先に西荻が見たもの…。俺には想像もつかないし、創造も出来ない。つまりは妄想するしかないわけだ。いや、それすら面倒だな。興味もないことを妄想してやれる程暇でもない。