すばせかのサントラはもはやゲーム音楽のレベルを越えてる

11/22
前へ
/155ページ
次へ
「そしてやっぱり…その担任も裏切った。」 俯く西荻。 「中学校の卒業式の日。担任はあたしに向かって出ていけと言ったんだ。あたしとの共同生活なんて鬱陶しくて仕方がなかった、卒業式という形で体よく追い出せて清々するって、冷たい目で…。」 西荻は声に出して泣いた。悲しくて泣いているのか、嬉しくて泣いているのか、俺には判断がつかない。 「あたしは、その担任のことは、完全には信じきれなかったけど、でも好きにはなれた。一緒に過ごす時間が増える度に、この人なら信じられるかもしれないとまで思ったんだ。」 やはり嬉しいのだろうか、西荻は笑っている。 「でもやっぱり駄目だった。多分あたしにはもう、人を信じることなんか出来ない。誰かと話している時も、誰かと触れ合っている時も、そのすぐ後には裏切られるんじゃないかって想像しか出来ないんだ。」 やはり悲しいのだろうか、西荻は泣いている。 「その担任といる時にバイトをずっとしてたし、この高校には主席で合格して特待生をとったから、学費も問題はない。そこまでして何で高校にきたのかは、あたしにも分からないけど。」
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1151人が本棚に入れています
本棚に追加