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彼は齢八歳にして次期領主という宿命を負っている。
ただ貴族としては今時珍しく内気でその温和な性格からか、生き物を殺めるのをひどく嫌った。
故に争いを好まず、剣術の稽古に駆り出されても彼はあまり腕を磨こうとしなかった。
彼の母親は彼を生んだ後に当時流行した流行り病で他界した。
そして彼を竹刀で叩いた少女。
彼女の名前はアレサ=アルタナシア。
彼女もまたディアンの娘でリディクの姉である。
彼女の髪や瞳の色はリディクと同じで、髪は前部を少し短めに切り、後ろ髪を腰くらいまで伸ばしている。
服装は領民と似たような格好で、あまり女の子は着ない男よりの服装で紺色の服に白いすねの上部まで伸びた白いズボンを着ている。
今年十四歳の彼女は剣術を六歳の頃から習い始め、今では大人顔負けの技の使い手である。
彼女には双子の姉妹の妹フレアがいたのだが、六歳の頃、弟リディクが生まれた時、彼を見に行くための旅の途中、人攫い(さらい)によって離れ離れになった。
生死は今でも不明である。
妹を守れなかったせいか、今度こそリディクを守ることができるよう、妹が行方知れずになった時期から自らも剣術を習った。
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