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「よろしい」
「リディが忘れてしまったのかと心配したわ」
「私達の使命は主君や貴婦人、そして弱き立場の領民を守ること」
「有事の際には騎士として戦場に赴き、侵入してくる敵を打ち倒さなくてはならない」
「私達は誰よりも率先して兵を率い、自分の手を血で染めなくてはならない」
「守るために……」
一時の間を置いたあと彼女は言った。
「あの紋章を見なさい」
アレサは壁を見上げ、稽古場の壁にあるアルタニア貴族の家紋を指差してリディクに言った。
リディクは見上げる。
「アルタニアの紋章……?」
リディクにとっていつも見慣れていた紋章。
{そんなものを今更見るように言われても……}
「あれがどうか?」
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